新築・戸建住宅(戸建事業部)

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知らなきゃヤバい!「気密」の機密

安部 考功
安部 考功

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家づくりマニア 安部のつぶやきコラム

「知らなきゃヤバい!「気密」の機密」

 

突然ですが(2回目) 

家の「気密性能」って興味ありますか?

 

なーんか 難しそうで、

敬遠されそうなのですが、

月々の「光熱費」や「健康」、「快適さ」 

なんかに直結するめちゃめちゃ

大切な性能の事で、

今、改めて少しずつ

注目されはじめているものなんです。

 

 

「断熱性能」に関しては

ハウスメーカーさんでも

よく説明してくれると思うので、

そんなに性能にこだわりのない方でも

その大切さがわかるかもしれません。

 

 

しかし、お金をかけて

「断熱性能」を良くしても、

「気密性能」を一緒に良くしてあげないと、

実はあまり意味がなくなってしまう事は、

ほとんど説明されないみたいなんですね・・

 

そこで! !

 

今回はこの「気密性能」にフォーカスして

ご紹介していきたいと思います!

 

 

マニアックな内容ですが、知らないと

本当に後悔しちゃう内容です!

 

 

気密性能・・ 

つまりは

「家にどのくらいの穴が空いているか?」 

って事です。 

 

昔の日本家屋は「夏」に

重きを置いて作られており、

家の中に風が通るようになってました。 

なのでむしろ穴だらけのスカスカです。

 

換気扇など使わずとも

十分な換気もできていたのです。

 

 

しかし現代の夏、 

日本は熱帯化が懸念されており、当たり前に

30℃を越える日が続いています。

グラフの示す通り35℃以上の猛暑日も

年々増加傾向です・・

 

 

 

高温多湿な風を 家の中に通したところで、

涼しくなるわけもなく、

熱中症のリスクも下がりません。

 

湿度が下がらないのでダニも増えるし、

カビなのどの原因にもなります・・

 

あっ ところでダニの繁殖って

湿度にすごく影響受けてるのを

ご存じでしょうか?

相対湿度60%を超えたあたりから

ガンガン繁殖し始めます。

その繁殖力はかなりすごくて、

理論上は10匹のダニが3ヶ月後で

1万匹になるとも言われてます・・・  

怖すぎですよね。

 

 

 

 

話を戻します・・

 

今年の夏に節電が叫ばれていたのは、記憶に

新しいと思います。

しかし、TVでは

「我慢せずエアコンを適切に利用して下さい」

とアナウンスが流れる状態でした。

 

つまりは、夏に風通しを良くする

旧来の日本型家屋では、

夏の暑さに対応できない時代なんですね。

 

冬場なんて、更にです。

隙間からどんどん冬の冷たい空気が入ってくるなんて、

寒すぎます。

ありえないですよね。

 

冬場に床が冷たい、部屋の低いところと

高いところで温度差が生まれるのって、

この隙間のせいでもあるんです。

 

空気は温めると軽くなり

上昇する力が生まれます。

 

ちょっと熱気球をイメージして下さい。

熱気球って温めた空気だけで、

人やものを乗せてドンドン上昇しますよね

 

 

温められて軽くなった空気って

思ってる以上に、

上へ上へ と向かいます。

この現象、冬場の家の中でも

実は同じことが起こってまして、

エアコン等で温めた空気は

想像以上にどんどん上昇していきます。

 

さて、ここで重要になるのが「気密」です。

「気密の悪い家」つまりは

「隙間(穴)が多い家」は、

温まった空気が、屋根近辺の穴から

どんどん抜けていきます。

それはもう どんどん と。  

 

 

 

そして抜けた分の空気は、

必ずどこかから補充されます。

つまり外から入ってくるのですが、

これが床面周りの穴からになるわけです。

 

キンッキンに冷やされた冷気が、

どんどんと入ってくるわけです。

その結果、いつまで経っても

床が氷のように冷たい 

ってなっちゃうんです。

 

冬の冷たい床って、本当に不快ですよね・・

 

 

そして寒いと思うと、エアコンの温度を

あげたくなるのですが、 

そうすると、エアコンから

より温められた空気が出るので、

「上昇する力」が

更にアップしてしまいます・・ 

 

結果、出ていく暖気の量も増え、

入ってくる冷気も増えるという、

とても悪循環な状態に

なってしまっているんですね。

 

そしてこの状態は、

足の部分と頭の部分で温度差が生まれいるので、

とても不快になり、エアコンが

嫌われ物になってる原因にもなっています。

 

悪いのはエアコンではなく、

家の気密だったというわけです。

 

 

気密の大切さについて、少しずつ

ご理解いただけてきましたでしょうか?

 

 

でも、気密が良い家って聞くと、

「なんだか息苦しそう」

っていうイメージがあったりしませんか?

 

実は私もその一人でした・・

 

しかし!  

家の性能について学んでいくと、

気密をしっかりとった方が、

換気も効率的にできることを知りました。

逆に、中途半端な気密状態が、換気にとって

かなり悪い事も分かりました。

 

「隙間がある方が換気の効率が悪いって

どういう事?」 

って感じですよね。

 

家の換気計画は、空気の「入口」と

「出口」を設定します。

 

一般的に数多く採用されている換気の方法は、

「第3種換気」と言いまして、

入口に開口部(自然給気)を作り、

出口は換気扇(機械排気)で排気

といった仕様です。

 

換気扇で空気を外に出すことにより、

リビング等に設けた開口部から新鮮な空気が入り、

家中を換気する というわけです。

 

さて、日本の家のほとんどで採用されている、

この「第3種換気」なのですが、

気密が悪いとどうなるか?

 

お気づきかもしれませんが、

所々に空いている家の隙間(穴)から

空気が入ってくるので、

「ここから空気を取り込もう」

と決めた「入口」(開口部)からはほとんど

空気が入ってこなくなります。

 

逆に換気扇近くの隙間(穴)から空気が入ってきて、

すぐに換気扇から出ていく 

というショートサーキットを

おこしてしまうわけです。

こうなると、本当は入替をしたい

リビングの空気は

いつまで経ってもそのまま という状態になるわけです。

 

 

 

例えば、リビングの匂いがいつまで経っても

残ってしまうのはこの為です。

 

 

逆に、気密の良い家は、他に隙間(穴)が

ほとんど空いて無いので、

狙った「入口」(開口部)からちゃんと

空気を取り入れ、

廊下などを経由して、「出口」

である換気扇から

スムーズに排出されるわけです。

 

 

 

高度成長期、住宅の着工棟数はぐぐぐーーっ 

と伸びました。

そして、これに重なるようにぐぐぐーーっ 

と増えているのが、

室内の「チリ・ダニ」の数です。

 

「チリ・ダニ」の数が増えることで、

何が増えたか?

それは、喘息の患者さんなんです。

成人喘息の患者さんは、

今や15人に1人と言われ

国民病になってしまっています。

 

これは、

「中途半端な気密」の家が増えている事が

原因じゃないか と言われてます。

 

 

ところで、「高気密な家」と、色々なところで

キャッチコピーを見たりするのですが、

どのくらいの気密性能があるかを

公開しているところは、

実はかなり少ないんです。

 

「えっ どのくらいの気密性能があるのか

ってそもそもわかるものなの?」

と質問が来そうですねー  

 

 

大丈夫です‼︎

これ、ちゃんと 測定が出来るんですよ!

 

「C値」って聞いたこと ありませんか?

 

「C値」とは、

延床面積1㎡あたりに、

どれだけの隙間が空いてるか

を示す数値となります。

 

数値が小さいほど、

空気の出入が少なくなるのでより高気密

と言えますね。

 

「C値」は家の住み心地を左右する、

家づくりをする上でとても大切な指標です。 

 

測定には特殊な機械を使って、

現地で測る必要があり、コストがかかります。

 

また、気密を良くするためには

隙間を小さくする必要があり、

高い施工技術が必要になります。

 

お金をかけて 断熱材を多く入れれば

高めることができる 「断熱性能」とは違い、

一朝一夕では

なかなか良くすることができないのが

気密性能」になります。

 

ですが、これからの家づくりでは当たり前に

高めていかないといけないモノに

なるのは間違いありません!

 

 

ちょっと小難しい内容ではあるのですが、

お金と快適性、健康な暮らしも

左右する内容です。

 

せっかくの家づくりなのでぜひこの

「気密性能」

こだわっていただければと思います!

 

安部でした。

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